※2011年8月に開催された「アフィニス夏の音楽祭 2011 広島」の模様をご紹介しています。
毎回、音楽祭を通じて、日本のプロオーケストラに所属している音楽家と新たに出会えることをとても楽しみにしています。そして“彼らに対して自分が何をするか”ということ以上に、一緒に演奏できるのがとても嬉しいです。
音楽祭の特徴の一つである“室内楽に特化したプログラム”はとてもユニークです。室内アンサンブルが演奏技術の向上に効果的であることは言うまでもありませんが、少人数で行うことで相手のパーソナルな部分を知ることができ、音楽を介してコミュニケーションを図ることができます。そして演奏家同士で楽曲のイメージを固め、その中で自分のやるべきことをよりよく知れるプロセスは、自身の成長にもつながります。
今回の音楽祭は、東日本大震災が起こったことで心配な面も数多くありました。しかし、私はこれを理由に「日本へ行かない」「行きたくない」とはまったく思いませんでした。自分が日本の皆さまに対してできることは限られていますが、人々の心にダイレクトに響く音楽の持つ偉大な力を、演奏を通じて少しでも届けられればと思っています。

音楽祭参加者のほとんどがプロのオーケストラで活動しており、さまざまなプログラムを通して一緒にアンサンブルを行えるアットホームな雰囲気はとても心地よいです。また参加者全員がオープンであり、学生と接するときとは違う、高いレベルでの音楽の話し合いができるのも気にいっています。
音楽祭の中では、室内楽曲のみならず、オーケストラ楽曲もあるのがとても有意義だと感じます。室内楽は本当に学ぶべき点が多く、イントネーション、アンサンブル、音色、作品の解釈など、音楽家として極限まで突き詰める必要があります。この室内楽で得た技術を用い、オーケストラの中で十二分に生かしていく過程はとてもすばらしいと思います。
今年は東日本大震災が起こったこともあり、私自身にとっても特別な音楽祭になりました。日本ほどの豊かな国が自然災害によって大打撃を受けている姿を間近に見て、私はあらためて自分の能力を生かして人々の支えになれないかと考えました。単に義援金を募るだけではなく、演奏を通じて人と人の心をつなげていく道具として、音楽が役立てばと考えています。

私はこの音楽祭を通じて日本の演奏家のみならず、世界中の演奏家に出会えることがとても嬉しいです。そして単に演奏会だけを行うのではなく、セミナーやワークショップ、また開催地の皆さんと一緒に行うプログラムなど、自分がさまざまな形で音楽と関われることにも魅力を感じています。
また、この音楽祭が、ある一定のお客さまだけに向けられたものではなく、広島市というまちに賛同してもらいながら行っていることにも大きな意義があると思います。また、まちだけではなく、そこで暮らす人々、子どもたち、そして音楽を勉強している学生など、さまざまな場面で音楽を用いてコミュニケーションを図っていることも重要だと感じます。
音楽は言葉が分からなくても人に思いを伝えることができるメディアです。音楽の持つ力やエネルギーをあなどってはいけません。今回は東日本大震災が起こったこともあり、周りから日本に行くことを反対された場面もありました。しかし緊迫した状況の中でも、私は音楽を通じて、日本の方々とつながっていることを伝えたかったのです。


- アフィニス夏の音楽祭 2011 広島 チャリティ・コンサート
- 東日本大震災に対して、単に義援金を集めるのではなく、音楽を通じた活動を行うことで貢献できたら――。このような考えのもと、本音楽祭では急遽チャリティ・コンサートが催されました。音楽祭メンバーから有志を募り、セミナーやワークショップなど多忙なスケジュールの合間を縫ってリハーサルを行い、チャリティ・コンサートに挑みました。 急遽、決まったチャリティ・コンサートにも関わらず、当日は多くのお客さまが来場され、プロの演奏家によるアンサンブルを堪能していました。コンサート終了後には募金活動も行われ、ご来場のお客さまのご協力により、総額56,578円の義援金が集められました。この義援金は、日本赤十字社広島県支部を通して、東日本大震災の復興に役立てられます。
- 「アフィニス夏の音楽祭 2011 広島 チャリティ・コンサート」
2011年8月25日(木)13時15分開演
会場:アステールプラザ
プログラム:ドヴォルザーク:テルツェット ハ長調 より第1、2楽章
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第1番 より第2楽章
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのデュオ 第1番
出演:Vn ヘンリック・ホッホシルト 山崎えりか
Va ハリオルフ・シュリヒティヒ ポール・ペシュティ
Pf 占部由美子



























