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※2017年8月に開催された「アフィニス夏の音楽祭 2017 広島」の模様をご紹介しています。

INTERVIEW

参加者に聞く

今年の「アフィニス夏の音楽祭」では、全国各地のオーケストラから約40名の演奏家が参加し、1週間にわたって仲間や招聘演奏家と音楽を創り上げていきました。プロとして活動する中、さらに研鑽を積むために音楽祭に集まったみなさんを代表して、今回は3名の方に参加のきっかけやここで得たものについて伺いました。

室内楽アンサンブルならではの呼吸、空気感を感じて 高和 雅さん(ヴァイオリン/広島交響楽団)

高和 雅さん

僕は今、広島交響楽団に所属していますが、もともと広島出身で、大学では四方恭子先生に師事していました。そんなつながりもあり、これまでにも何度か広島で開催されている「アフィニス夏の音楽祭」を聴きにきたことがあって、いつか参加してみたいと思っていました。今年オーケストラに入って、さっそくチャンスが訪れたので、この機会にぜひ参加しようと。広島交響楽団の先輩たちからも、一日中音楽を奏で続ける時間を過ごす体験は、とても新鮮だと伺っていました。

実際に参加してみて、少人数で意見を出し合って音楽を創る、共演者同士の絆のようなものの大きさを感じています。また、アンサンブルにおける個人の責任というものの大きさも実感することができ、いい刺激を受けています。オーケストラで演奏する際にも、単に音をより大きく鳴らすといったことではなくて、少人数のアンサンブルならではの呼吸、場の空気を感じながら、アンサンブルと同じような感覚で演奏できればいいのだろうと感じています。

招聘演奏家のみなさんの特徴あるすばらしい音色を直に聴かせていただき、多くの発見もありました。そしてやはり、憧れますね。ハイドンの交響曲は指揮者なしの演奏ということで、コンサートマスターのホッホシルトさんがご自分で演奏しながら指示をされていたわけですが、これはまさに“百聞は一見にしかず”と言った感じで、わかりやすいディレクションでした。

また、今回取り上げられている曲目は、どれも知らない曲ばかりだったのですが、演奏を重ねていくうちに少しずつ理解が深まっていく実感があり、楽しいですね。ヴァイオリンのワークショップでは、テーマを引き立たせるための弾き方を教えていただいて、新しい表現方法を学ぶことができました。

それから今回は合同演奏会に、広島交響楽団の終身名誉指揮者の秋山和慶さんが参加してくださいます。広島育ちでヴァイオリンをやってきた僕にとっては、幼少の頃からずっと憧れてきた方です。入団した当初はご一緒することもあったのですが、今回ここで久しぶりに共演できることを、とても楽しみにしています。

この音楽祭では、全国各地から若くすばらしい演奏家のみなさんが集まって、お互いに刺激し合いながら一つの演奏会を創り上げていきます。その中で感じられる感動を、最後までたっぷり味わいたいと思います。

※本記事は2017年8月22日(火)時点のインタビュー内容に基づくものです。

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和やかな雰囲気の中行われた、招聘演奏家ポール・ペシュティさんたちとのアンサンブルセミナー。

Photo

ストラヴィンスキーの七重奏曲を披露した、プロムナードコンサートⅠ。ミステリアスなメロディが響きます。

いいことづくめ。この音楽祭に参加しない手はありません 黒川律子さん(ヴィオラ/九州交響楽団)

黒川律子さん

「アフィニス夏の音楽祭」に参加するのは、今回が4回目。そのすべてが、私の音楽家としての人生の転機とつながっています。この音楽祭のおかげで成長することができたので、アフィニス文化財団には足を向けて寝られません(笑)。

初参加は、九州交響楽団に入団して2年目の1994年。このとき、首都圏のオーケストラのみなさんと自分のレベルの差にショックを受け、オーケストラに入ることができたのはいいいけれど、このままではまずいと気づきました。2度目は、前回の経験からもう自分は留学しようと決心したあとで、どんな場所でどんな先生につくのがよいか、そのリサーチの意味もあって参加しました。その後、アフィニス文化財団からの奨学金を得て無事にウィーンに留学。帰国後、また自分の力を確かめてみたいと思って参加したのが3度目です。

そしてしばらくの子育て期間を経て、今回が4度目の参加となります。実はその間に大きな交通事故にあって、リハビリのおかげでようやく再びヴィオラを弾けるようになったこともあり、また勉強したいと思いました。

私自身、オーケストラ奏者としては中堅、いえ、もはやベテランといわれる年齢になり、若い団員も次々入ってきます。そんな中、まだこの先10年以上演奏家生活が待っているわけですから、もう一度フレッシュな感覚とモチベーションを取り戻したいと感じています。加えてもちろん、単純に室内楽が好きだということ、また、普段自分のオーケストラで試すことができないことをここで試してみたいという気持ちもあって、参加しています。

この歳で、自分の息子と変わらない年齢の方々と一緒に参加することに不安がなかったわけではないのですが、昔自分が参加していたとき年上の方々もいらしていて、年齢は問題ではないんだ!と思った記憶があったので、今度は自分がその立場で参加しようと思いました。

いずれにしても、音楽家としていろいろな引き出しを増やし続けたいと思っていますから、本当なら毎年でも参加したいくらい(笑)。ここで学んだことは、自分自身のためになるのはもちろん、自分のオーケストラで還元したり、後進やアマチュアオーケストラの指導で活かしたり、あらゆる場面で使うことができます。

オーケストラでの活動を長く続けていくと、突然、大きな壁にぶつかったり、葛藤を抱くようになって弾けなくなったりすることがあります。そんな時、仕事としてのオーケストラの活動を離れて、全く違う立場で、しかも全国各地のオーケストラの方々が来ている場所で刺激を受けられるのは、とても意味のあることです。

要するに、いいことづくめなので、もうこの音楽祭に参加しない手はありません。若いオーケストラ団員の方はもちろん、ベテランの方も、ぜひ参加されてください!

※本記事は2017年8月22日(火)時点のインタビュー内容に基づくものです。

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4度目の音楽祭参加となる黒川さん。演奏でも積極的に全体をリードしていきます。

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ヘンリック・ホッホシルトさんと共演したゲーゼの弦楽八重奏曲。本番では見事なアンサンブルが響きました。

演奏家同士で音を聴き、お互いを高め合うという感覚を思い出しました 高橋将純さん(ホルン/大阪フィルハーモニー交響楽団)

高橋将純さん

「アフィニス夏の音楽祭」のことは、学生時代から音楽雑誌などで見て知っていたので、大阪フィルハーモニー交響楽団に入ってからは、いつか参加したいと考えていました。入団してからは楽団の業務で忙しくしておりまして、4年目にようやく参加することができました。今、私たちのオーケストラはとても前向きに頑張っているので、そういう時に離れることを申し訳ないと思う気持ちはあったのですが、自分が何か新しいものを吸収して、オーケストラに持ち帰ることにも意味があるだろうと思っています。

7年間ヨーロッパに留学している間、その国固有の音を肌で感じながら勉強してきました。ただ帰国後は、日本はいろいろな国の音楽性が混ざり合っているだけに、向こうで感じていた、イタリアならイタリアの、ドイツならドイツの音の感覚が少しずつ薄まっていってしまうところがあります。そんな中、音の感覚を取り戻したいと思ったことも、参加の理由です。

今回は、大好きなリノス・アンサンブルの創設メンバーであるリノヴィツキさんが招聘演奏家としていらしていたので、僕としては、彼と一緒にアンサンブルをできていることがとにかく幸せです。音を合わせること、一緒に音楽をすることとはどういうことかを、音で示してくださいます。

また、普段、試行錯誤を重ねて音楽を創っているようなことに関しても、経験豊かな奏者の方から指摘を受けると、的を射たアドバイスによって本質により近づくことができると感じています。この経験は、これからの演奏活動の中でも必ず生かされていくと思います。

ヨーロッパの演奏家の方々というのは、上下関係もあまりなく、とてもフランクですよね。ああいう感じの方々と(笑)久しぶりに一緒に音楽を創って、仲間の音を聴いて自分もいい演奏をしたいと思う、お互いがお互いを高め合うという感覚を思い出しました。音楽家ってそういう喜びを糧にする生き物ですからね。

また、オーケストラでの仕事を続けてくる中で、とにかくキッチリ合わせて演奏するということにこだわりすぎていたばかりに、忘れかけていたもっと自由に演奏していいということを思い出すことができました。

特にホルンという楽器は、音が外れやすいといいますか(笑)、難しい楽器なので、責任感を必要以上に背負ってしまいがちなんです。聴いてくださるお客さまのことを思っていると、余計に。でも、まずは自分自身の音楽というものがなくてはならない、それをお客さまに届ければいいのだという考えを、今また実感として持てるようになったと思います。

※本記事は2017年8月22日(火)時点のインタビュー内容に基づくものです。

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アンサンブルセミナーでは、積極的に意見交換しながら音創りをしていく姿が印象的だった高橋さん。

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クルーセルの協奏的三重奏曲「ポプリ」を披露したプロムナードコンサート。多彩なメロディの掛け合いを聴かせてくれました。