※2011年8月に開催された「アフィニス夏の音楽祭 2011 広島」の模様をご紹介しています。
音楽祭メンバーがセミナーで築き上げた室内楽曲11曲とオーケストラ楽曲2曲が披露された、3つの室内楽演奏会と合同オーケストラ演奏会。いずれもセミナーの集大成と呼ぶにふさわしい演奏会になりました。
さまざまな編成の室内楽曲が披露された室内楽演奏会。とりわけ圧巻だったのは、8月26日(金)の室内楽演奏会[1]で演奏された、ティペットの「コレッリの主題による幻想協奏曲」です。これは総勢38名からなる室内楽曲であり、2本のヴァイオリンと1本のチェロによるコンチェルティーノと、2群のストリング・オーケストラで構成されています。2群のストリング・オーケストラが築く重厚なアンサンブルと、3人のコンチェルティーノによる繊細なメロディが、指揮者のデリック・イノウエさんのタクトによって力強く融合。その音色は、来場したお客さまの心を捉えて離しませんでした。
8月28日(金)に行われた合同オーケストラ演奏会は、ホスト・オーケストラである広島交響楽団と、音楽祭メンバーによる共演です。オープニングを飾ったドヴォルザークの「セレナード ニ短調 Op.44 B.77」に続いて演奏されたのは、9つの組曲から構成されるR.シュトラウスの「組曲『町人貴族』Op.60」。金管楽器のきらびやかな響きと、弦楽器のふくよかな音色が融合した明るい楽曲が目まぐるしく展開する様子は、まるで一篇の喜劇を見ているようでした。そしてラストは、通称『運命』の名で知られるポピュラーな楽曲、ベートーヴェンの「交響曲 第5番 Op.67」。印象的な激しい旋律のイントロだけでも、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。指揮者の秋山和慶さんはタクトを通じて作曲家が意図する世界観を明確に指し示し、これに呼応した合同オーケストラは、見事な演奏を聴かせてくれました。


最終日となった8月30日(火)に、JT アートホール アフィニスで行われた東京演奏会。広島で披露された室内楽曲の中から、ハイドンの弦楽四重奏曲とモーツァルトの八重奏曲、そしてシューベルトの八重奏曲と、幅広い室内楽曲が楽しめるプログラムとなりました。
ハイドンの「弦楽四重奏曲 へ短調 Op.20-5 Hob.Ⅲ.35」は、ヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロのアンサンブルです。繊細に音色が絡み合い、緊張感に溢れた息もつかせない演奏に、多くのお客さまが引き込まれていました。続いて演奏されたモーツァルトの「セレナード第11番 変ホ長調 K.375」は、前曲とは打って変わり、木管楽器と金管楽器8名によるきらびやかな合奏。管楽器特有の心地よく温かい音色が会場全体を包み込みました。そして最後に演奏されたシューベルトの「八重奏曲 へ長調 Op.166 D803」は、弦楽器に木管楽器と金管楽器が加わった華やかな室内楽曲です。すべての楽器がかわるがわるメロディを紡ぎ、各楽器の持ち味を互いに引き立て合いながら、豊かな音色を構築していました。
会場であるJT アートホール アフィニスは、お客さまにより間近で演奏を楽しんでいただける、室内楽専用のホール。音楽祭メンバーも広島とは異なる雰囲気の中でアンサンブルを行うこととなりました。すべての楽曲がセミナーを通して築き上げられた、非常にクオリティの高い演奏であったことはもちろんですが、それ以上に、音楽祭メンバー一人一人のこだわりや、緻密なアンサンブルがつくり込まれた過程が伝わるような演奏でした。
























![「多種多様なアンサンブルの世界」
室内楽演奏会[1][2][3] 合同オーケストラ演奏会](images/report_title01.gif)


