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SEMINAR REPORT時間をかけてアンサンブルを練り上げる

室内楽演奏会に向けて、グループごとに室内楽の課題曲を仕上げていく「アンサンブルセミナー」。五重奏から13名の大編成まで、大小さまざまなグループが、演奏機会の少ない作品も含む多様なレパートリーに取り組みます。招聘演奏家と参加者が意見を交わしながら音楽を練り上げていくリハーサルは、一般公開のもとで行われました。

セミナーをのぞいてみると、グループごと、リハーサルの雰囲気は実にさまざま。言葉少なに互いの反応を注意深く観察しながら演奏する小編成のグループから、招聘演奏家が丁寧に一人一人の意見を尋ねて音楽を創っていくグループ、ユーモアを交えた意見交換に和気あいあいとリハーサルを続けるグループもあります。セミナー時間で足りない分は、メンバーが自主的に集まって合わせを行い、理想の音楽を目指していました。

プロとして活動していると、限られたリハーサルですぐに本番を迎えなくてはならないことも多いもの。そんな中、この音楽祭のように時間をかけて音楽を練り上げられる現場は、参加者はもちろん、招聘演奏家たちも大変有意義なものだと話していました。

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メンバーの意見を確認しながら、作品全体のバランスを調整するフリッツ・ダムロウさん。

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4人の招聘演奏家とモーツァルトの音楽を創り上げていく参加者たち。意欲あふれる表情。

SEMINAR REPORT積極的に意見を交わすリハーサルに大きな刺激

音楽祭最終日に行われる「合同オーケストラ演奏会」では、招聘演奏家、参加者に加え、地元オーケストラである山形交響楽団のメンバーによる合同オーケストラで演奏が行われます。

演目は、ゲーゼの「ノヴェレッテ」とハイドンの「交響曲第90番」。どちらもコンサートマスターのヘンリック・ホッホシルトさんの弾き振り(指揮者なし)で演奏されます。

リハーサルではコンサートマスター自ら音を出してイメージを伝えたり、各弦セクションにボウイングの細かな指示を出したりして、表現の統一を図っていました。ときには各セクションの招聘演奏家からホッホシルトさんへ、「この部分にはどんな解釈を持っている?」と、音楽づくりの意図を尋ねる場面も。大きな室内楽のようなイメージで、積極的に意見を交換しながら曲を仕上げる過程に立ち会い、刺激を受けたという参加者の声も多く聞かれました。

指揮者なしのオーケストラならではの方法でテンポよく進んでいくリハーサル。みな真剣な表情で取り組んでいました。

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各セクションの意見を多々取り入れて音楽を創るのは、指揮者なしのオーケストラならでは。

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演奏中は背中で語る、コンサートマスターのヘンリック・ホッホシルトさん。

SEMINAR REPORT長く演奏活動するうえで大切なことを伝える

音楽祭では、招聘演奏家が長いキャリアの中で培った技術やアイデアの一端を参加者に伝える「ワークショップ」が行われます。特定の作品を題材としたグループレッスンから、演奏家としての活動に役立つレクチャーまで、一般公開で、それぞれ興味深いテーマを取り上げました。

そのうちの一つ、ヴィオラのポール・ペシュティさんのワークショップは、バルトーク未完の遺作であるヴィオラ協奏曲がテーマ。参加者たちの演奏に、ペシュティさんがアドバイスを加えていきます。「何か信じられないことが起きる前触れのように」などの巧みな音楽表現や、作曲家晩年のエピソード、音楽家ならではのジョークを挟みながら、興味深く、笑いの絶えないワークショップとなりました。

ケルンWDR放送交響楽団首席ホルン奏者として長く活動するパウル・ファン・ツェルムさんが取り上げたテーマは、「長年ベストを維持するということ」。数十年後も同じサウンドを表現できる状態を目指すための練習、自分のコンディションを確認するためのエクササイズや、オーケストラ奏者として年齢を重ねていく上で生じる変化にどう対応するかという、長い音楽家人生を歩む上で大切なことについて語られました。

カナダに生まれアメリカで学んだオーボエのハーマンさんは、アメリカの音大や、自身が教鞭を執るオタワ大学ではポピュラーだという「演奏におけるスポーツ心理学の応用」をテーマとしたレクチャーを行いました。効率的な練習方法だけでなく、プレッシャーに耐え、本番で最高のパフォーマンスをするためのモチベーションの保ち方について、スポーツ選手の取り入れているメソッドを応用する方法を紹介しました。

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参加者の実演にさまざまな比喩を交えてアドバイスを加えていくポール・ペシュティさん。

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ポイントを簡潔に記しつつ、スポーツ心理学の応用を紹介するチャールズ・ハーマンさん。